「坂の上の雲」に隠された歴史の真実―明治と昭和の虚像と実像☆今週の一冊☆
男性シニアは「みんな大好き歴史本!」ですかね?
この本は、そんな方々に一石を投じる本かもしれません。
なんたって、国民的人気作家「司馬遼太郎」の代表作に、
ちょっと待った~!って言ってる本だからです。
以前、この本を読んだ知り合いが「おれは司馬遼に騙されてた~!」なんて言ってて、
なんのこっちゃ!?って思っていました。
でも、この本を読んで、あ~そういう事ね!って合点がいったんですね。
まあ、ひとこと司馬さんを弁護しておくと、
氏自身が、これは小説だからね~って言ってたこと。
つまり、歴史書ではないという事ですね。
だから、氏の本を鵜吞みにして、
よく知りもしないで、歴史上の人物をバカ呼ばわりする輩のほうが問題でしょう。
「坂の上の雲」に隠された歴史の真実―明治と昭和の虚像と実像
題名のごとく、日露戦争がメイン
特に旅順要塞攻略のくだりの検証が詳しくなされています。
頑迷な第三軍司令部に乗り込んだ児玉源太郎が戦況を一変させて、
旅順要塞を陥落させた!…風に読めるんだけど、
さて!その真実は?って事ですね。
あと、ノモンハン事件のくだりにも触れてあります。
こちらは、五味川味平「ノモンハン」や半藤一利「ノモンハンの夏」、
このあたりの本で知ってますかね?
ソ連崩壊で出てきた機密文書。
なんか史実と小説ってだいぶ違わないですか?
小説だからいいんじゃない!?って言い分もあるんだけど、
近現代史は現在につながっています。
いい加減なこと書いて、
小説が史実と誤認されることの影響は大きいと思いますね。
歴史小説の罠
これも福井雄三さん著です。
「史実」と「虚構」が交錯する歴史小説。絶大な人気と影響を誇る司馬遼太郎文学の虚構性は半藤一利氏を経て、ノーベル賞候補作家村上春樹氏にまで及ぶ。「栄光の明治、暗黒の昭和」「海軍善玉、陸軍悪玉」という善悪二元論に代表される「司馬史観」を徹底検証し、国民的人気作家たちがつむぐ虚構の近現代史を撃つ決定版!
アマゾンの解説文です。
この4行で、この本の言わんとするところが見事に表されています。
俎上に挙げられているのは、
司馬遼太郎、半村一利、村上春樹 など
人気の作家さんたちですよね。
半藤さんや村上さんの小説は読んだことないんだけど、
対談等で語られる言葉から察すると、司馬史観の継承者なんですね。
本書は、「坂の上の雲に隠された歴史の真実」や「司馬遼太郎と東京裁判」の
まとめ本のような位置づけですね。
繰り返しも多いので、この一冊でもよいでしょう。
福井井雄三さんの話が絶対とは言い切れないのですが、
歴史は複視的に見なければならない!
そんなことを考えさせる本です。
ぶっちゃけ!
御三方とも、リタイア後に読みたい作家でした。
司馬遼太郎の小説は、若い時に読み尽くした感があるのですが、
じっくりと再読したいと思っていました。
半村一利や村上春樹の本はまだ読んだことがなくって、
こちらもリタイア後に読みたい作家たちでした。
純粋に小説として楽しむことができればいいんだろうけど、
どうなんだろ~!?🐪